高血圧症

コバシルは血液透析施行中の高血圧患者の死亡率を有意に減少させる

9月 16, 2009

ACE阻害薬であるペリンドプリル(商品名:コバシル)は血液透析施行中の高血圧患者の死亡率を有意に減少させる

循環器内科

循環器内科

ACE阻害薬の有効性

対象

:血液透析施行中(3ヶ月以上)の高血圧患者150例
(血圧:≧収縮期血圧 160mmHg/拡張期血圧 90mmHg)平均年齢(歳):52±16
性別 [男性/女性]:91/59血液透析期間(月):66±61
心血管系イベント既往あり(%) :43

方法

:体液量管理(dry weight)により降圧治療を開始。透析前血圧が160/90 mmHg以下、または収縮期血圧が15mmHg以上の低下をしない場合には降圧薬投与により目標値以下に降圧した。調査期間は51±38ヶ月。

結果

:体液量管理のみで降圧目標値に到達した症例は44例(29%)で、106例(71%)に降圧薬が単独あるいは併用で投与された。内訳はコバシル49例(46%)、ニトレンジピン83例(78%)、アテノロール56例(53%)であった。150例のうち40例が心血管系疾患により、19例がその他の原因により死亡した(計59例)。多変量解析の結果、コバシル服用群で総死亡率、心血管系疾患による死亡率の相対リスクをそれぞれ0.19,0.18と有意に減少した。なお、ニトレンジピン服用群、アテノロール服用群はいずれの死亡率にも影響を及ぼさなかった。

参考文献

Impact of Aortic Stiffness Attenuation on Survival of Patients in End-Stage Renal Failure
Alain P. Guerin et al: Circulation,2001:103:987-992

-高血圧症