心不全とは
心不全とは心臓のポンプの働きが低下して、全身が必要とする血液を十分に送り出すことができなくなった状態です。なかでも収縮の低下:血液を送り出す働きが悪くなる場合と拡張性の低下:心臓が送る血液を吸い込む働きが悪くなる場合に分かれます。
心不全は管理方法が難しい病気でもあり入退院を繰り返したり、突然死のリスクが高い病気でもあります。そのために今回は心不全の症状を皆さんに知っていただき、症状が出た時は早めに受診できるようにお手伝いさせていただければと思います。
心不全の症状
心不全の症状として
坂道や階段での息切れ
日中の尿量・回数の減少
手足が冷たくなる
体がだるい
など全身に必要な血液が足りなくて起こる症状と
体重が増えた
夜間の尿量・回数が増えた
食欲がなくなった
足がむくむようになった
夜苦しくなったり咳が出るようになった
など体に血液が滞ってしまいうっ血することによって起こる症状に分かれます。
夜間尿量が増えるのは床に就くことで腎臓に血液が周り尿が作られるためです。
これらの症状をまずは知ることであれ?おかしいな?と気づくことが大切です。
そのために自宅で毎日続けていただきたいことがあります。それは、大体同じ時間での体重測定、血圧測定、脈拍測定です。朝起きた時に足の浮腫みはないか
おしっこが出ているのか
動くと苦しい、だるいとかがないか
毎日行うことで自分自身の体の変化に気付くことができます。
足がむくんでいるのを確認する方法を御存知ですか?
スネ(弁慶の泣き所)を10秒程度押してみてください。この時に指の跡が残るようであればそれは足がむくんでいます。夕方や立ち仕事をした後にやると健康な方でもむくんでいる事が多いので出来るだけ朝起きた時にやってみるのが良いでしょう。
脈拍はどちらの手でもいいので手首の親指の付け根の下あたりを触ってみてください。ドクンドクンと感じるのが脈になります。15秒から1分程度測ってもらってリズムがおかしかったり1分間に100回を超えるような速さだったりした場合は、しもやま内科にご相談ください。
心不全悪化の原因
この次に再入院をした時の原因について説明します。心不全悪化による再入院の原因は以下のようなものです。
塩分、水分の制限があるのに守れない方が約3割です。患者さんによって水分量や塩分量は変わるので主治医に相談し適切な量を知っておいた方が良いでしょう。しもやま内科では患者さんごとに水分摂取量をアドバイスしていますから、お気軽にご相談ください。
その次に風邪や肺炎をきっかけに心不全になってしまう方が2割。この季節は乾燥し風邪をひきやすいのとインフルエンザなども流行っているのでワクチンを接種された方が良いでしょう。
過労・薬の内服忘れが1割ずつ。頑張りすぎてしまうと心臓に負担がかかってしまうので休息を忘れずにしましょう。薬は心臓の病気をされている方はどうしても種類が多く飲み忘れてしまったり、大事な薬なのに飲み忘れてしまう事も多いと思います。そんな方は調剤薬局で一包化していただくとか、カレンダーに飲んだらしるしをつけていただく等工夫をしていただくのも一つの方法だと思います。
心不全患者さんに注意していただきたいこと
再入院の原因には患者さん自身で気を付けて頂くと多少ではありますが防げることも多く、先述したように自分自身の体の変化に気付いて早めに受診をすることで入院ではなく利尿剤の追加だったり、外来でフォロー出来ることも多いです。その方が心臓への負担も少なります。心不全は2/3の方は自覚症状がなく、1/3の方は苦しい等自覚症状が出てから入院のことが多いです。症状が出てからでは遅いので、自宅で出来れば毎日自分自身の観察をなさってください。