内科

敗血症性肺塞栓症の疑い

1月 23, 2017

敗血症性肺塞栓症の疑い症例

船橋市の内科

内科

現病歴

発熱・倦怠感を主訴に当院内科受診。発熱の原因は不明であり経過観察となった。帰宅後も発熱は持続したため他院受診し胸部単純CTで異常影を指摘され、精査・加療目的に当院紹介搬送された。40℃台の発熱と、血液検査で炎症反応亢進、胸部単純CTでは両肺野に小結節、浸潤影が多発しており、敗血症性肺塞栓症の疑いで入院となり直ちに抗菌薬治療を開始した。血液培養にて Staphylococcus aureus?(MSSA)を検出し,経胸壁超音波検査では三尖弁に疣贅と思われる所見を認め,感染性心内膜炎と診断した。可動性のある 10mm 以上の疣贅であり抗菌薬治療開始後も38℃の発熱が持続していたため外科的治療の方針となり三尖弁輪形成術が施行された。術後合併症は無く経過良好の為退院となった。

考察

本症例は右心系感染性心内膜炎により敗血症性肺塞栓症を来した一例である。麻薬使用歴や先天性心疾患や弁膜症などの基礎疾患は認めなかった。近年アトピー性皮膚炎と感染性心内膜炎との関連性が指摘されており,本症例でも未治療のアトピー性皮膚炎による皮膚バリア機能の低下が感染の原因と考えられた。

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