循環器内科

NOAC3剤vsワルファリンの有効性

9月 14, 2016

NOAC3剤vsワルファリンの有効性

心臓病内科

心臓病内科

Larsen TB et al. Comparative effectiveness and safety of non-vitamin K antagonist oral anticoagulants and warfarin in patients with atrial fibrillation: propensity weighted nationwide cohort study. BMJ. 2016 Jun 16;353:i3189. doi: 10.1136/bmj.i3189.

経口抗凝固薬未治療の非弁膜症性心房細動患者6万1678例を対象に、新規経口抗凝固薬(NOAC)ダビガトラン、リバロキサバン、アピキサバンのワルファリンに対する有効性と安全性を観察コホートで検討。デンマーク国内データベースを用いて2011年8月-2015年10月まで調査。
有効性は虚血性脳卒中単体、虚血性脳卒中と全身性塞栓症、死亡、虚血性脳卒中と全身性血栓イベントと死亡の4つで評価。
安全性は全出血、頭蓋内出血、大出血で評価。虚血性脳卒中はいずれもワルファリンと差がなかったが、虚血発作/全身性塞栓症の年間発生率はワルファリンよりリバロキサバンで低かった(ハザード比0.83)。アピキサバンとダビガトランは死亡リスク(順に5.2%、2.7%)および全出血発生率(3.3%、2.4%)がワルファリンより有意に低かった。

NOACはAf患者の脳卒中や塞栓症予防に広く使われている。船橋市の循環器内科・心臓病内科の患者も同様。臨床試験においてはこれらはワーファリンと同等の有効性・安全性を示している。さらに投与量の最新の注意を払わなくていいというメリットも。ただ、これまでは1対1の比較は行われてきているが、全抗凝固剤の比較は行われていなかった。

抗凝固薬、標準量投与の患者に限定。(アピキサバン5mg2回、ダビガトラン150mg2回、リバロキサバン20mg1回)デンマークでは、ワーファリンは2.5mg1回投与のみ許されている。標準用量に絞ったのは、低用量適応患者は合併症があったり、高齢すぎたりしたから。また1年以内に何らかの経口抗凝固薬使用歴があるもの、Afであっても弁膜症性であるもの、静脈血栓症の既往があるものは、何らかの経口抗凝固薬使用歴があるかもしれないので除外。

Endpoints and variable definitions

2015年11月30日「まで調査。虚血性脳卒中・全身塞栓症と虚血性脳卒中の発生率を調査。出血については、全出血(頭蓋内、大、消化管、外傷性頭蓋内)。脳卒中リスク評価にCHA2DS2VASc score。大出血のリスク評価に HAS-BLED score

Statistical analysis

投与後、最初に起こったイベントで評価。またperson time(観察人年)でイベント発生数を割ることで粗発生率を求めてる。
Inverse pprobability(間接帰納確率)。年齢、性別、虚血性脳卒中・全身塞栓症・TIAなどで分類。

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