糖尿病内科

糖尿病歴40年の1型糖尿病の患者

8月 16, 2016

糖尿病歴40年の1型糖尿病の患者

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糖尿病歴40年の1型糖尿病の患者。HbA1cは上昇傾向で自己血糖測定の記録を見ると血糖変動が激しく、早朝と就寝前の低血糖の回数が多い。

インスリンはノボラピッド,ランタスを用いて強化インスリン療法を行っているが、仕事が忙しく仕事量により食事量も変動し、食事内容や量に関係なく随時血糖のみを見て追加インスリン量を判断しており、朝食前や夕食前の低血糖に繋がっている可能性がある。糖尿病歴が長く、患者なりの療養方法が不明瞭な部分がある。

自己血糖測定に問題あり

自己血糖測定機器のメモリーを確認すると70mg/dL以下の低血糖の回数は2ヶ月間で70回程あり、エラー表示も数回見受けられた。測定機器はセンサーを毎回つける必要のないドラム式を使っていた。患者の気持ちとしては測りたいときに測れないという不満がある。もっと良い物があれば有り難いとのお気持ちがあるようだ。スマートフォンと連携できるデータマネジメント機能付きの他機種へ変更するのが望ましい。使用方法・注意点の説明は不可欠である。また仕事中や外出先でも測定できるよう消音機能は必要だ。夜間の血糖変動を確認する必要がある。CGMを行うことが望ましい。CGMを実施し、結果を振り返るのが望ましい。CGMの血糖パターンによりインスリン量を変更すべきだ。糖尿病歴は長く検査項目に関する知識はある程度持っているとのことだが、検査値の履歴を追って現状とコントロール指標と一緒に確認するのが良い。インスリン量変更により低血糖の回数が減り、以前は仕事中に予防の為ブドウ糖を食べることがあったが最近は使わなくなった。40mg/dl台の低血糖がなくなった。その結果、身体が楽になり、安心感が得られた。スマートフォンと連動できる新しい自己血糖測定機器についてはアプリも使えて使いやすいと感じるようである。血糖変動は従来よりも緩やかになった。一方で朝と夕食前の血糖値が200~350と高値となることもある。この要因については、食事量は一定にしているが仕事が休みの日は疲れすぎていて殆ど活動量がないことが考えられ、医師に許可されているインスリンの自己調整に加えて、休日の活動量を上げることで対処したいとのことであった。中学生以来久しぶりに栄養指導や詳しい検査説明を受けた。自分では抑えているつもりでも予想以上にカロリーを取っていることやインスリン量を自己流で調整してしまっていることがわかった。患者の40年の糖尿病歴を大事にしながら低血糖に十分注意してチームでサポートする必要がある。

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