船橋市の循環器内科

がんの患者をケアする

10月 22, 2016

がん患者のターミナルケアの重要性

内科

日々肺癌や肝臓癌を患い治療のために入院している患者と関わる中で、疼痛に苦しみ、身の回りのこともおろそかになってしまい、夜も満足に眠ることができない患者にしばしば関わる機会があった。疼痛出現する前は笑顔の印象的だった患者が癌性疼痛出現を機に表情が硬くイライラしている姿をみて自分は看護師としてどのように関わればいいのかと考えさせられた。がん看護で必要とされるコミュニケーションや疼痛緩和について学ぶことができた。患者との信頼関係を築き、患者の不安や本音を聞き患者をサポートするためには効果的なコミュニケーションが必要となる。医療者が患者に与える影響は言葉以外の言語的要素(表情、身振り、声の調子)が全体の印象の93%を示していることに驚いた。伝えたい内容を患者に効果的に伝えるためには非言語的なコミュニケーションの活用が必要となることを改めて実感した。基本的なコミュニケーションスキル①聴くための準備②現状の理解を確認③問題点の把握④効果的に傾聴するスキル⑤応答するスキル⑥共感するスキルの6つが必要である。がん告知や余後宣告等の病状説明同席や受け持ち患者と関わる際に、私は患者や家族の不安や本音をどうやって聞けばいいのか、どういうタイミングで声をかければいいのかわからずにいた。研修に参加後はコミュニケーションスキルを意識するようにしている。コミュニケーションスキルを学び患者の言葉に積極的に耳を傾け、患者の小さなサインを見逃さない、患者の発言をただ受け入れるのではなく、それはどういう意味なのかを掘り下げ患者を理解することが重要だ。国民の2人に1人が癌となる現在では身近な人が癌を患い麻薬の内服やモルヒネ皮下注射等を行っているのを見ている患者も多い。その時の断片的なイメージが強く残っている患者も多く、「麻薬を使うのは末期。最後の薬」と思う患者がいる。WHO3段階除痛ラダーやそれぞれの薬の特性、疼痛の種類を理解し、患者がその人らしく治療に取り組み生活できるように関わることが大切だ。疼痛を緩和するために使用する薬によっては便秘や眠気、嘔気が生じることがある。原因を正しくアセスメントできないと苦痛の緩和に繋がらない。がん患者は痛みなどの身体的苦痛の他に精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルペインがありこれらをトータルペイントして捉え他職種と連携し関わっていく必要がある。