甲状腺内科

甲状腺機能低下症(橋本病)と妊娠

9月 29, 2018

甲状腺機能低下症(橋本病)と妊娠

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橋本病とは

甲状腺機能が低下することを甲状腺機能低下症といいます。その中でも橋本病は甲状腺機能低下症の代表的な疾患です。バセドウ病と同じで圧倒的に女性に多い病気です。バセドウ病のように派手な症状がなく元気がなくなる系なのでぱっと見で診断されにくいので、橋本病があるのでは?と疑いを持つことが重要です。

橋本病では「抗サイログロブリン抗体」と「甲状腺ペルオキシダーゼ抗体」のどちらかもしくは片方が陽性となります。甲状腺内科において比較的多く診る疾患です。

橋本病の妊娠中の管理

橋本病が妊娠に与える影響はバセドウ病と似ています。流産や早産、死産、低出生体重児、妊娠高血圧症候群などです。TSHのみ高値でFT4は正常値の状態を「潜在性甲状腺機能低下症」といいますが、この場合も流早産が多いと報告されています。甲状腺ホルモンは胎児の中枢神経系の発育にとても重要なので妊娠中の母体への甲状腺ホルモンの補充が必要となります。

甲状腺ホルモンの補充は、レボチロキシン(商品名;チラーヂンS12.5μg~100μg、レボチロキシンNa)にて行います。
妊娠中の変動はバセドウ病と同じで妊娠初期に一時悪くなり、妊娠中期から後期に改善し、分娩後に再度悪くなる傾向があります。

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